ビジネスマンや就活生、さらにMBAの取得を目指している人が常にチェックすべきは、経営における最新キーワード。経営コンサルタント、大学教授、作家として活躍し、ハーバード・ビジネス・スクールなどでも教鞭をとる平野敦士カール氏によると「2015年はITの進化によって、経営はリアルとネットが融合した新しいスタイルに激変していく元年」とのことです。

 これからの企業戦略を考える上で、企業戦略には必須の5つのキーワードがあります。英語表記も一緒に覚え、ビジネスのさまざまなシーンで活用できるはずだ。今日は5つめの「プラットフォーム戦略(R) (Multisided-Platform Strategy)」をご紹介します。



■「プラットフォーム戦略(R) (Multisided-Platform Strategy)」

 プラットフォーム戦略(R)とは、関係する企業やグループを「場=プラットフォーム」にのせることで、新しい事業のエコシステム(生態系)を構築する21世紀の勝ち組企業の経営戦略として今もっとも注目されている経営戦略です。

 具体的な成功事例としては、Google、Facebook、アマゾン、楽天などのインターネット企業のほか六本木ヒルズやアウトレットショッピングモール、クレジットカード、築地市場、合コンなど実は身近なところに多数存在しています。

 たとえば楽天は「楽天市場」という「場=プラットフォーム」に、モノを売りたい日本全国の中小の小売店をたくさん集めています。しかし楽天自体は決してモノを売っているわけではありません。しかし、こうした小売店の商品を買うためには楽天の会員になる必要があります。

つまり楽天は全国の小売店を「プラットフォーム」に参加してもらいユーザーを集めて自社の楽天会員を増やし、さらに粗利益の高い楽天カードのような自社ビジネスに誘導することで高い収益をあげています。すなわち楽天市場を「フロント」、金融事業を「バックエンド」として、楽天ポイントを軸に「楽天経済圏」のような生態系(エコシステム)を構築したのです。

 成功するプラットフォームの3つの特徴は次の通りです。

1.存在価値があるか
2.顧客との交流、自動増殖機能があるか
3.クオリティコントロール

 一方で企業が他社のプラットフォームに参加する際に気を付けなければいけない点が「プラットフォームの横暴」です。
 プラットフォームが次第に力をつけてくることにより当初は予想もしなかったような横暴をするようになる危険があるのです。具体的には

1.利用料の値上げ
2.垂直統合
3.ユーザーとの関係の弱体化

などですが、参加する以前にある程度予測はできるのでしっかりとした自社の戦略を持ってから参加することが大切です。

 これまでモノとして提供されていた製品はITの進化によってサービス化していき、価格も劇的に安くなる可能性が高くなります。またインターネットがリアルの世界(店舗)と融合した新しいサービスも登場してくるでしょう。あらゆる企業は経営戦略の見直しを迫られるのです。


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