シリコンバレー、戦略コンサル他、世界の最前線で、超一流は何をしているのか? その答えは「Bullet Points(ブレットポイント)」と呼ばれる“箇条書き”によるコミュニケーション。
条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルなのだ。メール、プレゼン、企画書・報告書、議事録。あらゆるシーンで活用されている。“率直な意見が、日本で嫌われる理由”MBAで学んだ世界ビジネス習慣について、本日は杉野氏の『超・箇条書き』で、 「コミュニケーションは、「話す順番」で9割決まる?」を紹介します。
最初のひと言で、人を引きつける方法
今日は「イントロづくり」というスキルを紹介したい。イントロというのは、箇条書きにおける最初の文を指す。箇条書きで最も大切なのはこのイントロだ。小説などは、出だしの文章が面白いと引き込まれて読み続ける。しかしそうでないと、本を閉じてしまうものだ。
それと同じで、箇条書きもイントロで引きつけることができないと、それに続く内容は相手にまったく伝わらない。
逆に言えば、イントロの工夫次第で、相手の関心を引きつけることができるのである。では、イントロで何を伝えるか。
「相手が期待していること」を伝えるのだ。
ただしこれは、相手や相手が置かれているコンテキスト(文脈)次第で変わる。
簡単な例として、企業での採用面接のケースで考えよう。面接官から、「あなたの強みはなんですか?手短にお答えください」と言われたとする。下の図を見てほしい。
拡大画像表示
この2つの回答のしかたは、少し見ただけではほぼ同じだ。少なくとも、3つの文の1つひとつは完全に同じで、その順番が異なっているだけだ。どちらの箇条書きが面接官にとって印象がよいだろうか。
答えは「その2」(後者)のほうだ。理由は、こちらの質問にダイレクトに答えているからだ。
「その2」の回答は、イントロで質問に対しての答えを伝えている。そして、その次にその答えの理由を説明している。それも大事なことから、順にだ。面接官は忙しい。1人で何人も、または、何十人、何百人も面接しなくてはならない。
だからこそ、早く答えを知りたいのだ。
繰り返すが、相手が期待しているのは「答え」だ。このため、イントロで質問に答えてくれる「その2」の伝え方のほうが、話に関心をもつことができ、頭にスッと入ってくる。そして、そのような伝え方をする応募者には好感をもつものだ。
一方、「その1」の回答はどうだろうか?
「コミュニケーション下手」にありがちな共通点
「その1」の回答は、背景となる学生時代の努力から説明している。続いて、企業での取り組み、そして最後に質問への答えを伝えている。このように背景から説明すると、最後の答えを聞くまで、何が言いたいのかがわからない。
せっかちな面接官であれば、イントロの「学生だった10年ほど前より英会話学校に通い、英会話の基礎を身に付けました」を聞いた瞬間に、「この学生の強みは、英会話の基礎を身に付けていること?」と思う可能性が高い。
しかし実際は、「英会話の基礎があったので、5年ほど前より……」と説明がやたらと続くので、「英会話の基礎を身に付けていること」が強みなのか、それともこれから答えが出てくるのかわからないのだ。
最悪のケースは、話が長いと思われてしまって途中で遮られ、「プロフィールについては結構ですので、強みだけお答えください」と言われることだ。そうなったら、どんな答えをしても“伝え下手”や“コミュニケーションに問題がある人”と評価されて不採用だろう。
この面接の会話からわかることは、「相手が期待していることにすぐ答えることで、相手の関心を醸成できる」ということだ。イントロがフックとなり、最後まで話を聞いてくれるだろう。
アメリカにある、某日系大手企業に勤めるバイリンガル日系役員から聞いた話ですが、日米合同役員会議で本社の日本人役員からの「一度本社に持ち帰って検討します。」という回答に対し、現地米国役員は「前向きに言い返信がもらえる。」と期待してずっと待っていたものの、その後なしのつぶてだったそうです。そのため、「日本人の検討します。=遠まわしで”NO”のことだよ。」と説明するのに毎回アメリカ人には理解してもらいにくくて困る、とこぼしていました。日本人的コミュニケーションは、このグロバールビジネス世界では通用しない例ですね。
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MIM : Manhattan Institute of Management | マンハッタン インスティテュート オブ マネージメント
条書きは、英語や会計、そしてロジカルシンキングと同じくらい世界的に求められているスキルなのだ。メール、プレゼン、企画書・報告書、議事録。あらゆるシーンで活用されている。“率直な意見が、日本で嫌われる理由”MBAで学んだ世界ビジネス習慣について、本日は杉野氏の『超・箇条書き』で、 「コミュニケーションは、「話す順番」で9割決まる?」を紹介します。
最初のひと言で、人を引きつける方法
今日は「イントロづくり」というスキルを紹介したい。イントロというのは、箇条書きにおける最初の文を指す。箇条書きで最も大切なのはこのイントロだ。小説などは、出だしの文章が面白いと引き込まれて読み続ける。しかしそうでないと、本を閉じてしまうものだ。
それと同じで、箇条書きもイントロで引きつけることができないと、それに続く内容は相手にまったく伝わらない。
逆に言えば、イントロの工夫次第で、相手の関心を引きつけることができるのである。では、イントロで何を伝えるか。
「相手が期待していること」を伝えるのだ。
ただしこれは、相手や相手が置かれているコンテキスト(文脈)次第で変わる。
簡単な例として、企業での採用面接のケースで考えよう。面接官から、「あなたの強みはなんですか?手短にお答えください」と言われたとする。下の図を見てほしい。
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この2つの回答のしかたは、少し見ただけではほぼ同じだ。少なくとも、3つの文の1つひとつは完全に同じで、その順番が異なっているだけだ。どちらの箇条書きが面接官にとって印象がよいだろうか。
答えは「その2」(後者)のほうだ。理由は、こちらの質問にダイレクトに答えているからだ。
「その2」の回答は、イントロで質問に対しての答えを伝えている。そして、その次にその答えの理由を説明している。それも大事なことから、順にだ。面接官は忙しい。1人で何人も、または、何十人、何百人も面接しなくてはならない。
だからこそ、早く答えを知りたいのだ。
繰り返すが、相手が期待しているのは「答え」だ。このため、イントロで質問に答えてくれる「その2」の伝え方のほうが、話に関心をもつことができ、頭にスッと入ってくる。そして、そのような伝え方をする応募者には好感をもつものだ。
一方、「その1」の回答はどうだろうか?
「コミュニケーション下手」にありがちな共通点
「その1」の回答は、背景となる学生時代の努力から説明している。続いて、企業での取り組み、そして最後に質問への答えを伝えている。このように背景から説明すると、最後の答えを聞くまで、何が言いたいのかがわからない。
せっかちな面接官であれば、イントロの「学生だった10年ほど前より英会話学校に通い、英会話の基礎を身に付けました」を聞いた瞬間に、「この学生の強みは、英会話の基礎を身に付けていること?」と思う可能性が高い。
しかし実際は、「英会話の基礎があったので、5年ほど前より……」と説明がやたらと続くので、「英会話の基礎を身に付けていること」が強みなのか、それともこれから答えが出てくるのかわからないのだ。
最悪のケースは、話が長いと思われてしまって途中で遮られ、「プロフィールについては結構ですので、強みだけお答えください」と言われることだ。そうなったら、どんな答えをしても“伝え下手”や“コミュニケーションに問題がある人”と評価されて不採用だろう。
この面接の会話からわかることは、「相手が期待していることにすぐ答えることで、相手の関心を醸成できる」ということだ。イントロがフックとなり、最後まで話を聞いてくれるだろう。
アメリカにある、某日系大手企業に勤めるバイリンガル日系役員から聞いた話ですが、日米合同役員会議で本社の日本人役員からの「一度本社に持ち帰って検討します。」という回答に対し、現地米国役員は「前向きに言い返信がもらえる。」と期待してずっと待っていたものの、その後なしのつぶてだったそうです。そのため、「日本人の検討します。=遠まわしで”NO”のことだよ。」と説明するのに毎回アメリカ人には理解してもらいにくくて困る、とこぼしていました。日本人的コミュニケーションは、このグロバールビジネス世界では通用しない例ですね。
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